m_g_113(漫画編集者・鳥嶋和彦

漫画「DRスランプ」「ドラゴンボール」でおなじみの漫画家・鳥山明先生を発掘した初代編集者・鳥嶋和彦氏のインタビュー記事なんですが、歯に衣着せぬトークという感じで語ってくれていまして思う所あったので感想みたいな事を書いてみます。

印象に残った発言をいくつかあげますと

「今のジャンプは長期連載頼りの安易なやり方」
「もしサンデー編集長をやるなら高橋留美子、あだち充を打ち切り」
「才能無いと感じた人には強めに言う」
「ストーリー作り、なんかに時間かけても意味がない」
「ストーリー作りに参加する編集者は二流」
「描きたい物と描ける物は違う」
「鳥山明の描きたい物はつまらない」
「鳥山明はもう昔のような絵は描けない」


あたりでしょうか。


私にとっては、鳥山明先生が、もしいなかったら、たぶん絵を描き始めなかったんではないか?というような存在で昔のインタビュー記事は大半は見ていましたし、同時に担当編集者の存在もある程度知っていましたので考えさせられるものはありました。

それと記事内容から編集者の仕事がどんな内容かがある程度わかりますが、自分の意見を通せる気が強めの人でないと、向いて無さそうに感じましたし自分には向いてない仕事だと思いました。


そこで上記の項目ごとに少し感想みたいなものを以下に書くいてみます。


●「今のジャンプは長期連載頼りの安易なやり方」

複数が長期連載化していて、その人気に頼っている危険性を感じる。
(ワンピース。ブリーチ。銀魂。こち亀。あたりは50巻越えですね。)
これらは、ファンの間の一部から「ビジネス的な理由の引き伸ばしではないか?」との批判が上がってますが。

要するに新人をもっと積極的に入れたいみたいです。
鳥嶋和彦氏は昔から新人起用に積極的なやり方をとってきたようで、ジャンプが低迷していた時期に編集長に呼び戻された時もベテランを何人も切ったようです。


●「もしサンデーの編集長をやるなら高橋留美子と、あだち充を打ち切り」


この大御所の方々に「打ち切り、と言える人は、滅多にいなさそうですし鳥嶋和彦氏の非凡さ.を感じますね。。上記2人くらいになると固定ファンがけっこういるでしょうけど、そこは保守的にやらないで新人に賭けたい」って事なんでしょうかね?



●「才能無いと感じた人には、強めに言う」

才能ある人にまとめて時間をつぎ込む為だそうです。
鳥嶋和彦氏が漫画の才能無い人達に対して思う事は「向いてない物にしがみつくのは時間がもったいない。他に向いている物があるはずだ」
との事ですが、一応フォロー的な事も言ってくれてますね。

例えば私は、もし鳥嶋和彦氏に見てもらえるとするなら見てもらいたいか?と考えると怖いものありますね。
.漫画界で最も競争率の高い週刊ジャンプ基準.の審査にもなるんでしょうし。

ただ「多人数の新人を抱えて下手な鉄砲も数撃てば当たる式」の新人の扱い方ではなくて、
厳選して少人数だけと関わり育てるタイプ.みたいなので一度、素質を認めてもらえれば勉強にはなりそうですね。。


あと担当になった漫画家に対しては
「1円でも多く稼がせたい、なぜなら、漫画家は稼げる期間がそんな長くないから」との事です。
しかし.鳥山明先生などは、いまだに年間5億円もお金入ってくる.らしいですけどね。
グッズとかの版権料なんでしょうかね。いまだにフィギュアとか新しいの作られているみたいですしね。
これだけ長期間お金入り続ける漫画家はレアなんでょうけど。



.●「ストーリー作り、なんかに時間かけても意味がない」.

鳥嶋和彦氏いわく、重要なのはキャラクターだそうですが、これは昔から知っていましたし、現在の漫画界ではおなじみの情報のようです。
.ストーリーに凝っても売れる漫画にはならない.そうです。

あとはキャラクター重視で作るメリットはたぶん、「速く作れるし人気出たときに引き伸ばししやすい」あたりなのかな?と思ってます。

どうせなら「キャラクター」も「ストーリー」も両方凝った方がいいんじゃないか?とも思いますが作るのに時間かかりますしね。
漫画編集者の話で「7割の出来でよいので量産を」みたいな言い方がありますが、キャラクター重視の作りはそれに当てはまるんでしょうね。

ちなみに私はストーリー作りは凝る方なんですが鳥嶋氏の理屈からすれば「無駄な事してる」ってなりますね。
しかし、編集部審査も通らないといけないのもありますし、キャラクターも考えていますけども。


●「ストーリー作りに参加する編集者は二流」

「それでは中規模のヒットにはなっても大ヒットにはならない」そうです。

ちなみに週刊少年マガジンなんかは編集部全体の方針として複数人の編集者がついて話し合いながら内容作るらしいですが、あまり大ヒットみたいなのは少ないような印象はありますね。

ちなみにストーリー作りに参加する編集者で有名なのは樹林伸氏でしょうね。
(代表作・金田一少年の事件簿)



●「描きたい物と描ける物は違う」

漫画家の描きたい物は大半は二番煎じのものだそうです。
鳥山明先生の描きたい物は当時はアメコミ風だったそうでそれは鳥嶋氏いわく、
.鳥山明の描きたい物はつまらない...そうで。

鳥嶋和彦氏は本人の「描ける物(最も向いているであろう物?)」を本人に見つけさせる為に時にはカウンセリングみたいな事もするそうです。
私も奇遇にも近年、自分に向いている内容は何か一人で自分で考えてましたら、一種のセルフカウンセリング風にもなっていた感じします。、
その結果、自分が過去に賞に入れたりしていた時期と入れない時期の違いがわかってきたりもしました。




●「鳥山明はもう昔のような絵は描けない」

鳥山明先生がドラゴンボール連載時にゲームイラストもかいた事あってクロノトリガーってものですが
これを指して、「「鳥山明が全盛期の頃の絵」「今の鳥山明はあのような絵は描けない」とまで鳥嶋和彦氏が語りました。
ここなどは、だいぶ、ざっくばらん、な事言っているなとは思ったといいますか、遠まわしに「今は劣化している」ってのを認めるような発言ですね。
鳥山明先生の絵はファンの一部間でも「劣化している」って言い方はありますけども
中には「今の絵の方がいい」なんて層の人もたぶんいるんでしょうかね・・・

劣化している派の意見では「デジタルにしたのが原因」が大半占めてるようですが。

鳥嶋氏の、上記の言い方は「アナログ画に戻したらどうか」という願望も含まれているんではないか。などど推測する事もできますかね。

私個人の感想では「アナログ画に戻せば昔と同じような絵が描けるんではないか?」などというような可能性もあるとは思っています。

以下は鳥山明先生の描いたクロノトリガーのイラスト。Gペンやカラーインクで描かれたイラストですね。
私は絵を見ただけで鳥山明先生のいつ頃の絵か一応わかりますが絵柄的にはドラゴンボールの後期の頃なんでしょうね。

m_g_114(鳥山明のイラスト・クロノトリガー




上記で紹介した記事は以下で全文見れます
インタビュー記事にしては、けっこう長いものとなっていて全5ページ。
漫画編集者時代の鳥山明先生との関わりの話は4ページめあたりからです。


【外部サイトへのリンク】伝説の漫画編集者マシリトはゲーム業界でも偉人だった! 鳥嶋和彦が語る「DQ」や、漫画「ドラゴンボール」誕生秘話





ドラゴンボール全42巻

元はスーパーファミコンですがDSに移植した「クロノトリガー」